信販、クレジットカード、消費者金融に共通している基幹業務システムの共同化などで経費負担を減らし、グループ内での稼ぎ頭になってほしいと願っているのです。ただ、これら3業種は事業部門が重複しています。キャッシングはその最たる分野です。そのため、個人ローンに強い消費者金融がキャッシング部門のリーダー役になることを期待しているのです。しかし、ノンバンクサイドもメガバンクの傘下に入ったとはいえ、経営の独立性は保ちたいと考えています。グループ内にいれば、資金調達の面では有利でしょう。しかし、この部分を押さえられると、経営の独立性は揺らぎます。「金も出せば口も出す」ことになるのです。メガバンクから離れるノンバンクも出てくる可能性がありますし、これまでの資本・業務提携の関係が未来永劫続く保証はどこにもないのです。これから数年間は、両者の関係が刻々と変化するかもしれません。
日本の居住者が米国国債のようなドル建ての国債に投資する場合にも、投資家はドル建ての利子の支払いや償還金の受け取りというドル建て債権を持つことになる。したがって、このドル建て債権の利子と償還金を先物で売らないでいることは、為替投機をしていることになる。述べたように、日本の居住者がドル建てなどの外貨建て債権を保有したり、ドル建ての債務を負っている場合に、前者の場合には先物でドルを売らないでいること、後者の場合には先物でドルを買っておかないことは、いずれも為替投機をしていることになるのである。すなわち、新聞などでいわれる特別の「投機筋」だけが為替投機をしているのではなく、ごく普通の輸出入企業、商社、機関投資家、個人もまた為替投機をしているのである。例えば、個人が銀行にドル建て預金をして、将来受け取る金利と元本を先物で売っておかないことも、立派な為替投機なのである。
情報技術の進展で、金融システムはますます高度になってきた。その結果、システムは銀行が発注するが、銀行がそれを完全に掌握することが出来なくなりつつある。電算機のシステムは今や銀行業務の中核。それを押さえているのは電算機メーカーとも言える状況だ。例えば金融商品の開発能力は、そうした商品を支えるシステムが開発出来るかどうかにかかっており、それを牛耳れるのは電算機メーカー側という事態が起きつつある。ある電算機メーカーの幹部は「システム化が進み銀行の自主性は低下する」と断言する。技術が発達し電子金融が広がりを見せているが、それはシステム面で銀行の主導権が薄れていくことを意味している。今後も情報技術によって銀行業務が変化していくことであろう。